草原の河とパラレルワールドを観て
ソンタルジャ監督の「草原の河」を観ました。
奈良国際映画祭のならシネマテークの10月の上映作品です。
チベットが舞台の遊牧民の家族のお話。まずはその雄大な自然に見とれました。写真集とかテレビのドキュメンタリーで見たまんまの風景。山と空と大地がただただ広がっていて美しいです。
私の部屋にはテレビとパソコンとスマホがありますが、この家族が住むテントには何にもありません。それってどんな生活なんだろう?私にはもうそれらがない生活はできそうにないけれど、どっちが幸せなんだろうな。
主人公はヤンチェン・ラモという6歳の女の子。まったく演技経験のない子だということですが、ほとんど撮影一発OKだったそう。天才だ。服やアクセサリーがとてもおしゃれで赤や青や色とりどりで、風景の緑や茶色に映えてて綺麗でした。チベットの子ってみんなおしゃれなの?
この子のお父さんがちょっとたよりなくて一番子供みたいでした。愛情表現も下手で小さなヤンチェン・ラモが不安になる。自分のお父さん(つまりおじいさん)との関係もギクシャクしてて、日本でもお父さんの立場って微妙なとこあるなってそこは共通しているような気がしました。
もらったチラシに中国とチベットと両方の国名が書いてあって、これはどういうことだろうとネットで検索しました。チベットは中国の一部の自治区なんですね。ご存じの方も多いかもしれないですが、私もダライラマ14世のことは知っていましたが何をされた方なのかは存じ上げなくて恥ずかしいです。複雑な歴史があって難しい問題なんですね。そういうことを知ったうえで映画を観たらまた違ったかもなとも思いました。映画自体はそういうこととは関係なく家族の生活を淡々と描いています。
同時上映で河瀨直美監督の短編「パラレルワールド」も観ました。
恋ってこういう風に始まるんだな。キラキラしてました。主演の山田孝之さんが自然に感情を表現されててさすがでした。
そういえば山田さん前に「カンヌへ行こう」みたいな番組をされてて河瀬さんに叱られてましたね。あれから撮影したのかな。
河瀬さんの母校で撮影されたとのことで、天体観測室のある学校って素敵。